カナダドル、中銀のフォワードガイダンスが鍵 

この調査レポートは2023年10月25日現在、米ドルとカナダドルに対して分析したものです。 

要点 

• 金利の据え置きを予想 

カナダの小売売上高がマイナスに落ち込み、カナダの政策金利決定がすでに結果を出していることを示唆している。今夜、カナダ中銀は翌日物金利を5.00%に据え置く可能性が高い。 

• 利下げ圧力有り 

カナダの第3四半期のGDP成長率はわずか0.2％（年率）で、カナダ中銀の予測値1.5％を大きく下回る。カナダ中銀は景気後退を緩和するために、利下げを実施する圧力がかかっている。市場では、2024年第2四半期末までに翌日物金利を4.75％までか、それ以下に引き下げると予想されている。 

• カナダ中銀のフォワードガイダンスに注目すべき 

カナダ中銀の年内金利道筋はほぼ明確。2024年の景気と金利水準に関するカナダ中銀の予測に注目すべき、タカ派的であれば今夜カナダのドル上昇傾向に注意し、その逆もまた然り。 

• 原油価格を背景にカナダドル下落した 

原油価格はリスク回避姿勢が薄れた後に急落し、カナダドルはそれで利下げの圧力が強まった。 原油価格の下落が継続すれば、米ドル/カナダドルのレードは引き続き上昇する可能性がある。 

テクニカル分析 

デイリーチャート分析 

（米ドル/カナダドルデイリーチャート。情報源：Ultima Markets MT4） 

• ストキャスティクス・オシレーター 

昨日もシグナルがMACD線を上回ったが、10月中旬以降のインジケータのボラティリティは全体的にかなり不安定。現在の上昇トレンドは、調整トレンドのようにも見えるが、為替レートが主要な価格レベルを突破するまで待つ必要がある。 

• ケイ線 

10月5日からのローソク足3本連続は、近いうちに明確な下降トレンド。従って、短期的に相場が上昇しても、10月5日の上影陰線の高値を上抜かない限り、ブル相場の到来とは言えない。 

4時間チャート 

（米ドル/カナダドル4時間のレート・チャート。情報源：Ultima Markets MT4） 

• ウォルフ波動 

10月10日以降の上昇トレンドは比較的に変動が激しい。現在の相場は、典型的なウルフ波動構造となっている。ポイント5が上方延長線までになるのを待つか、あるいは、ポイント3を下回り、明確な弱気ローソク足が出て、ベル相場から抜け出す可能性が高い。 

• エリオット波動 

10月5日以降の急落は、5波構造の下降推進波である。10月10日以降の上昇トレンドは、今のところ調整波と考えられ、相場が1.37851を上抜けたときに初めて、下降推進波の構造が正しくないことが確認される。 

• フィボナッチ比率 

相場は下降トレンドの78.6%リトレースメントを突破し、昨日の米国の取引時間内に後退した。為替レートは上昇する可能性があるが、明確な弱気ローソク足の構造があれば、急速に下落する可能性もある。 

PIVOTインジケーター 

（米ドル/カナダドル1時間のレート・チャート。情報源：Ultima Markets MT4）

• Ultima MarketsのMT4にあるPIVOT指標によると、当日の中心価格は1.37193。 
• 1.37193より上ではブル、第一ターゲット1.37765、第二ターゲット1.38129。
• 1.37193より下ではベア、第一ターゲット1.36833、第二ターゲット1.36255。

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